『ゆういちろうが行く』

国民民主党の玉木雄一郎代表が分党を表明しました。事実上の分裂です。

国民民主党に残る国会議員と立憲民主党に入る国会議員とに分かれることになります。

玉木代表が民放の衛星報道番組で役員会では合流反対の方が多数だったと語ってました。

6人が反対で3人が賛成だということです。それならばなぜ採決して決しなかったのでしょう。

ここが玉木さんの人間としての人の好さです。決定的対立に追い込まないのです。

立憲民主党に行きたい人は行かせてあげるという温和な姿勢をとったことになります。

生きたいなら出ていけではないのです。自分で生きる道を探せではなく逃げ道を作ってあげてます。

ナチス・ドイツに協力した政治学者カール・シュミットは、政治は友と敵に二分されるといってます。

この冷徹な見方からすれば玉木代表の行動はいかに生ぬるいか驚くほどです。

最大の支持母体である労働組合の連合は、両党の合流を後押ししている立場です。

温和な態度をとれば連合頼りの国会議員は一斉に合流の方に流れるのに決まっています。

今回の玉木代表の決断は行きたい人には行かせてあげて少数でもいいから残ったもので再出発です。

玉木代表は、全国的知名度があって超カリスマ的存在とはとても言えません。

一般常識から言って玉木代表についてくる国会議員は連合の支援なしでも戦える議員に限られます。

選挙に強くて玉木代表の考え方に賛同するものだけが参集できることになります。

玉木代表にとっては少数でも良いから本物が集まって戦いたいということなのでしょう。

政治姿勢や政策的には純化路線ですが、人数的には少数派に転落しいばらの道です。

政治はどうしても数に作用されますので国会での影響力は減ぜざるを得ません。

しかし、私は、数は少なくても質でカバーして新たなうねりを起こせる可能性もあると思います。

そのためにはまず残った者たちで国民民主党という名称を変更する必要があります。

支持率が1%にも満たない政党の名前にこだわる必要は全くないと思います。

政治の変革の起爆剤となり得るイメージを名前に冠し玉木新党として再出発して欲しいです。

現在の政策で勝負の路線は堅持して欲しいです。自民党とも是々非々で臨んで欲しいです。

かつて「さきがけ」という政党がありました。武村正義さんや鳩山由紀夫さんが作った政党です。

1993年8月の自民党一党支配からの転落の引き金のひとつとなりました。

その後さきがけは自民党と社会党と連立政権を作り政界の激動を渡り歩きました。

さきがけのような動きを期待します。与党野党の枠を超えて大胆に行動して欲しいです。

政策実現のためには自公両党ともこだわりなく協議していくべきです。

基本はリベラル的な体質ですので自民党内のリベラル派や公明党とは親和性があると思います。

与党に反対する仕事は立憲民主党や共産党にお任せして政策実現の一点に絞って進んで欲しいです。

玉木新党のそうした行動の先には連立政権への参画も見えてくると思います。