アジアを代表する歌姫と香港民主化運動
22日の土曜日、昨日のブログで紹介した禹王の番組のほかにもうひとつ録画した番組があります。
テレサ・テン歌声は永遠に~没後20年・アジアをつないだ魂をたずねて~という番組です。
2015年5月放送の1時間番組でNHK衛星放送で再放送されていました。
歌手の夏川りみさんがテレサの出身地の台湾や香港のゆかりの地を訪ねる内容でした。
私はテレサ・テンのファンのひとりです。歌声に自然と引き込まれてしまう魅力があります。
番組の中でテレサを日本に紹介した音楽関係者が美空ひばりさんのようと語ってました。
言いえて妙です。天分が備わっていてそれが湧き出ているのです。天才です。
数あるヒット曲の中で一番好きな曲は「別れの予感」という乙女心たっぷりの曲です。
1987年6月の発売です。発売から2年後テレサの人生を変える一大事件が発生しました。
天安門事件です。中国共産党指導部が民主化を求めて天安門広場に集まった民衆を弾圧しました。
戦車で蹴散らしてのです。今なおどのくらいの犠牲者が出たのか真相は判明していません。
テレサはこの事件が発生する前に北京で一大コンサートを実施する計画でした。
テレサは両親は、中国共産党との内戦に敗れて台湾に渡った国民党の中国人です。
こうしたルーツの人は、外省人と呼ばれ台湾生まれ台湾育ちの内省人とは区別されます。
テレサにとって両親のふるさとでコンサートをするという意義はとてつもなく大きかったと思います。
しかし中国共産党の民主化弾圧がテレサの夢を打ち砕いてしまいました。
テレサは、番組の中で自分は中国人だと語っています。その祖国の政治に落胆しました。
番組の中で自由の大切さを訴えていました。テレサは、民主化運動のシンパでした。
テレサは、1995年静養先のタイで喘息発作のために急死しました。
もし生きていたら現在67歳です。まだまだ現役でバリバリ活躍できる年齢です。
昨今の中国の政治に対しどのような対応をしたか想像したくなります。
天安門事件への姿勢を踏まえれば自由の弾圧に対し抗議の声を上げたに違いありません。
テレサの活動拠点のひとつ香港はいま中国共産党の圧力により政治的自由が脅かされてます。
テレサみたいな世界スターが民主化への弾圧に対し抗議の声を上げたらどうなったでしょう。
相当の影響力を持ったことは間違いありません。しかし現実はそうした人物は出ていません。
若くて日本語の上手な女性の周庭さんが自由化のシンボルになっています。
権力を恐れぬその勇気は賞賛に値しますが、テレサの知名度には遠く及びません。
香港の民主化運動に弾みをつけるためには今ひとつ力不足です。残念です。
テレサは天国で香港の未来を心配しさぞかしやきもきしているのではないでしょうか。
香港の民主化運動に対する中国の圧力に抗するためには著名人の同志が必要です。
SNSの時代です。世界中に視野を広げて著名人の同志を募る運動を始めて欲しいと願います。