新型コロナウィルス対応の政治学41~ポスト安倍~

菅官房長官の快走が間なしに始まりそうです。台本通りという感じさえします。

28日の安倍総理の辞意表明を受けて次の総理総裁を決めるかは二階幹事長に一任されました。

二階幹事長は緊急事態なので党員投票を実施する通常のやり方ではなく両院議員総会方式の方針です。

9月15日ごろをめどに新総裁を選出し任期は来年の9月までの安倍総理の残任期間となります。

以上立て続けに出された自民党総裁選をめぐるメディアの報道を透かせば画が見えてきます。

短期間に総裁を選ぶので党員投票をやらないのがみそです。石破さんの目は消えます。

国会議員の基盤を持たない石破さんが勝利するのは一般党員投票に活路を見い出すしかないからです。

安倍総理の残任期間ということは安倍政権の総仕上げをすることになります。

安倍政権の屋台骨を支えてきた人物が適当だということに当然なってきます。

第一候補は麻生副総理です。しかし麻生さんは出馬しないと明言しました。

となると菅官房長官のほかに適当な人材はいません。一気に最有力候補となります。

岸田さんはと思われるかもしれませんが岸田さんは安倍総理の後押しがあっての候補者です。

安倍総理の出身派閥は今回は岸田さんを一致して推すことはありえません。

安倍総理の残任期間を菅官房長官に託したいと安倍総理が考えればそれが全てだからです。

河野太郎さんが意欲という報道もありますが出身派閥の大将の麻生副総理が止めるでしょう。

残任期間の総理を狙うのではなく来年9月の次の総裁選挙を狙えと助言するはずです。

総裁選挙を仕切る二階幹事長の二階派は中立を保ちながら菅官房長官でまとまるはずです。

石破さんにも秋波を送ってきた立場からして初めから菅さんという姿勢はとらないと思います。

菅官房長官と石破さんと岸田さんの3人で超短期間の総裁選挙を戦い菅さんで決着となります。

菅官房長官は春先は元気がなかったです。テレビ画面を通じてみる顔つきは精彩を欠いてました。

ところが暑くなるにつ淹れて気力が充実し昨今は内閣のかなめそのものという雰囲気です。

安倍総理や二階幹事長らとの面談を踏まえ自らの立ち振る舞いを変化させたのは間違いありません。

総理もあり得るのでマスコミにも頻繁に顔を出すよう行動パターンを変えたのだと思います。

今回の自民党のシナリオは、党内に亀裂を残さないよう融和最優先の選択だと言えます。

安倍内閣の官房長官が総理の残任期間を継いで本格的な総裁選挙は来年9月に先送りするからです。

誰一人として敗者が出ません。勝者の菅官房長官は、残任期間で実績を上げれば次もあり得ます。

石破さんや岸田さんらは今回の総裁選挙でたとえ敗れても来年リベンジが可能です。

自民党らしい巧みな知恵だと思います。二階幹事長の舞台回しの妙でしょう。

今回の総裁選挙は、党員投票がないので選挙の顔として誰が相応しいかを選ぶものではありません。

解散・総選挙は、来年9月の自民党総裁選挙後、すなわち任期満了選挙だと思います。