新型コロナウィルス対応の政治学46~野党再結集~

新型コロナウィルスは、政府・与党だけでなく野党にも行動の変化を求めました。

安倍総理の辞任表明から7年8か月の第二次安倍政権の評価が反転しました。

多くの国民がよくやったと言っています。この勢いで解散・総選挙かとの観測が流れました。

野党側は結集を急ぎました。昨日、立憲民主党と国民民主党の合流新党の代表選が告示されました。

立民の枝野幸男代表と国民の泉健太政調会長との争いです。勝負は決まってます。

枝野代表が10日に合流新党となった立憲民主党の代表となる運びです。

枝野さんが衆議院議員106人、参議院議員43人の149人の野党第一党の顔になります。

2009年の夏のように政権交代を目指すことを目標として掲げています。

そう簡単ではありません。国民の期待感が盛り上がってきていません。

民主党政権の時の無様な姿が国民の脳裏にこびりついているのが原因です。

当時は、極度に期待が高まっただけに反動も大きく今なおマイナスの影響下にあると言えます。

枝野代表は昨日の記者会見で政権交代への道筋を聞かれ風に頼らないという趣旨で答えていました。

苦笑いをしてしまいました。枝野代表は、”風”のメリットを存分に受けて今日があるからです。

政界デビューは、細川ブームで湧いた日本新党です。1993年7月のことです。

完全な落下傘候補として旧埼玉5区で2位で初当選しました。風がなければあり得ません。

2017年10月の衆議院選挙で小池都知事が率いる希望の党から弾かれて立憲民主党はできました。

小池都知事の排除発言で判官びいきの風が立憲民主党に吹いたのは明らかです。

以来立民は、結党当時の高揚感は徐々に低下し支持率も下がり合流へと立ち至ったのです。

反転攻勢をかけて政権奪取するという勢いは合流しただけでは得られません。

それこそ神風でも吹かない限り無理です。”風”以外に政権奪取の一手はないと思います。

合流した立憲民主党の任務は、巨大与党の政権のチェックと考えるのが現実的です。

重要な任務です。モリカケ問題や桜を見る会、河合前法務大臣夫妻の選挙違反事件があるからです。

政府与党の悪を責めることと政権を奪取することは別です。政権を取るには構想が不可欠です。

共産党と組むことが想定されるので政権構想をまとめるのは容易ではありません。

共産党が大胆に妥協してきたとしても国民が共産党と一緒の政権を許容するとは思えません。

2009年夏のように新立憲民主党として単独で自民党に代わる政党にならないといけません。

現段階では、妄想に近いです。実現への道筋を明示することはできません。

無理な幻想を追い求めるより反対政党として地道に実績を重ねることの方が現実的です。

政権を取るためには批判を超えて国民に構想を語り具現化するプロセスを示さなければなりません。

批判だけではダメだとの自覚が共有された時初めて政権への道のりが見えてくると思います。

時間を要すると思います。永遠の野党に終わらないことを祈りたいです。