明日の自民党総裁選挙で菅総裁、16日には菅総理大臣が誕生することになります。

秋田県から集団就職、苦学したのち代議士秘書、市議会議員の経て衆議院議員。

菅官房長官自身たたき上げと述べています。這い上がって日本国のトップになります。

2世、3世、政界のサラブレッドたちが幅を利かせる中で際立って異色の総理大臣です。

毛並みの良いサラブレッド政治家たちにはまねができないらつ腕を発揮することでのし上がりました。

菅さん自身は本人のキャリアは十二分に認識していてトップには立とうとしませんでした。

サラブレッドを頭に担ぎ自らは汚れ役を引き受ける黒子として政治家のキャリアを積んできました。

そのキャリアの最高の地位が官房長官でした。7年8か月に及びました。

裏方の調整能力で存在感を増してきました。表にはできない脅しすかしもあったでしょう。

こうした経験によって政治家としてのすごみを身に着けて行ったのは間違いありません。

自らはトップには立たないということで生涯徹しようと思っていたかというとそうではありません。

最高権力者を支えることによって権力の頂点に立つとはどういったことかを学んできたはずです。

自分がもし頂点に立ったのならばどうするかをひそかに練っていた可能性は大きいです。

昨日、総裁候補者3人の共同の記者会見がありました。菅さんにキャリアについて質問が飛びました。

官房長官として力量を認めたうえでトップの能力とは異なるのではないかと質しました。

菅さんは日米首脳による電話会談には常に同席し首脳外交を見て意見もいってきたと述べました。

自分がトップだったらどうするかも念頭にあったと言っていると私は受け止めました。

ただし万全の自信がある訳ではありません。テレビ画面からは落ち着かなさが垣間見えます。

3人のうちで一番水を飲む回数が多いと思いました。緊張していることを伺わせます。

2日の出馬表明の記者会見の時もそうでした。記者の前に立ち最初に手にしたのは水でした。

どんなに学んでもナンバー1とナンバー2との間にはとんでもなく深い谷があります。

この谷に橋を架けられるかどうかです。菅総理・総裁が光を放つことができるかの分かれ道です。

最初からトップに立つべき運命づけられた出身ではなく叩きあげて今日があります。

新型コロナウィルスのパンデミックという危機が安倍総理大臣の辞任をもたらしました。

権力の空白をもたらしてはならないとの自民党内の政治力学が働き菅さんを押し上げました。

明らかに僥倖です。なるべくしてなったのではありません。この認識が重要です。

菅総理・総裁として最も大切な政治姿勢は謙虚に国民の声に耳を傾けることだと思います。

大半の国民は新型コロナの不安を一日も早く解消して欲しいと願ってます。

たたき上げの政治家に相応しく地味でも良いので仕事師に徹して欲しいです。

人気者を内閣に散りばめて一挙に解散・総選挙といった曲芸はたたき上げには似合いません。