新型コロナウィルス対応の政治学52~菅政権のもどかしさの正体~

菅政権が発足して1週間です。の改革の具体目標がおぼろげながら見えてきました。

まずデジタル革命。規制改革と不妊治療です。新型コロナ対策は大前提です。

しかし、依然として全体的な改革の見取り図が見えません。個別目標だけが明示されてます。

個別案件を貫くトータルな改革ビジョンをできるだけ早期に示すことが不可欠です。

現状では、木を見て森を見ず状態に陥る恐れがあります。もどかしさは深まるばかりです。

菅政権は安倍政権の継承を絶対の条件として圧倒的支持を受け誕生しました。

支持率も70%前後と高いです。しかし、安倍政権末期の支持率低迷からの反動の要素もあります。

安倍路線の継承だけでなく独自性を加えて行かないと支持率の維持は難しいです。

菅総理はたたき上げの仕事師としてのイメージを打ち出し目の前の課題をこなす選択をしました。

小泉純一郎元総理のようには行きません。小泉さんは「自民党をぶっ壊せ」と叫びました。

派閥連合でがんじがらめで縛られた困難な状況を地方票で打ち破って誕生したからできた芸当です。

菅政権の誕生とは全く異なります。菅総理は華々しく独自色を打ち出すのはそもそも無理です。

そうした中で選んだのが既に述べたような目の前の課題を迅速にこなしていく政権イメージでした。

総裁の任期が1年と限られている中で成果を上げるためには止む得ない選択だと思います。

思惑通りことが進むかどうかは微妙です。政権内でのあつれきや省庁の抵抗が予想されるからです。

河野行革大臣が国と地方の関係の見直しも規制緩和の対象に加えると表明しました。

国と地方の関係と言えば旧自治省、現在の総務省の本丸中の本丸分野です。

河野大臣の突破力があだになりかねません。河野大臣の言動には危なっかしさが付きまといます。

河野大臣の担当分野を明確にしていかないと政権の波乱要因になりかねません。

河野大臣は、北海道と沖縄の担当大臣です。この両地域で国・地方関係の改革を期待します。

国の出先機関と道庁、県庁を統合し強力な地方政府を樹立し新たな国・地方関係を創ることです。

任務が明確になり、河野大臣の突破力が活かせるのではないかと思います。

菅総理は、他の追随を許さない独自の分野で大胆な改革姿勢を打ち出すのが得策ではないでしょうか。

菅総理のキャリアからして国・地方関係の見直しは格好のテーマだと思います。

北海道は、ロシア、沖縄は、中国という厄介な国と向き合わざるを得ない地域です。

強力な地方政府を立ち上げて経済関係の権限を委譲し両地域の経済振興に注力すべきです。

安全保障や防衛は国の専管事項ですので政府が前面に出て対応します。

北海道と沖縄において政治と経済を分離したうえで国・地方の役割分担を明確にするのです。

これぞ地方の視点から安全保障・防衛という国の役割を包み込んだ国家構想です。

たたき上げで地方を熟知していると自認する菅総理の地に足が着いた独自国家構想の第一歩です。