書籍と史料の山と格闘中
小田原の著名な女性史研究家の宇佐美ミサ子さんのご自宅と事務所に毎週通い続けてます。
宇佐美さんは90歳で独身。お元気ではありますが、安全を考えて高齢者施設に入所されました。
小田原駅近くにビルを所有していて3階が住居です。別にもうひとつ事務所があります。
所有しているビルは手放し、借りている事務所は貸主に返すとのことです。
主がいなくなって残されたのが膨大な分量の書籍、雑誌、史料と資料でした。
宇佐美さんを支援している方より欲しい書籍があれば自由に持って行って下さいと連絡がありました。
本の虫の私にはまたとない機会です。古本屋さんになったつもりで見に行きました。
事務所の方は何度も訪問したことがあるのである程度は様子はわかっていました。
特別に発注した書棚にぎっしりと高価な本が詰め込まれているのを覚えていました。
周りには書類がまとめて置かれていることも知ってました。整理するのは大変だと覚悟してました。
ご自宅は初めてでした。ビルの急階段を3階まで昇り玄関を入ったとたんアッと声を上げました。
トンネルを抜けるとそこは雪国だったとの有名な小説の冒頭の一節があります。
玄関を入ると書籍以外に暮らしている形跡が見つからない感じがしました。
玄関入ってすぐのリビングの周辺は書棚で取り囲まれていて、どこを向いても書籍と対面します。
次の部屋には図書館にあるキャビネット式の書棚が特別にしつらえてあり全集類の書籍が並んでました。
県史や市町村史などの郷土史関係の分厚い書籍も並べてあり圧力を感じるほどでした。
一番奥の部屋は本棚しかありません。社会科学関係の貴重な書籍が並べてありました。
宇佐美さんが使っていたと思われる机の上は書類の山という言い方がピタリとはまりました。
書籍とともに寝起きしていたのです。うらやましいと言えばうらやましいですが、ため息が出ました。
和室にも雑誌類が積んでありましたのでどこで寝ていたのだろうかと心配になるほどでした。
小田原市立図書館に女性史関係の書籍や貴重な史料などは既に寄付されたとのことです。
それでいてこれだけの膨大な分量の書籍類をどうしようかと思案に暮れました。
歴史や本が好きな仲間に声を掛けて一緒に整理し、欲しい本はご厚意に甘えさせていただいてます。
あっという間に軽トラックの荷台がいっぱいになります。それでも本の分量はなかなか減りません。
課題は、貴重な歴史の史料が残されていることです。整理してみようということになりました。
私の自宅が農家の造りで部屋が大きいので私の自宅に一時保管ということにしました。
孫君たちのおもちゃで乱雑になっていた一部屋を片付けて史料置き場にすることにしました。
仲間たちで丹念に史料を読み込んで仕分けしていかなければなりません。
宇佐美さんのご自宅と事務所の整理は今年いっぱい続きます。ご覧になりたい方は連絡ください。
徐々に片付いていますがまだまだ書籍の山という表現を変えるまでには至っていません。