大阪市を解体し4つの特別区を設置して大阪府と合体する大阪都構想の住民投票が迫っています。

12日に告示されて投票日は11月1日となっています。日本の地方制度体制の大きな変革です。

橋下徹元大阪市長が立ち上げた維新流の改革路線には賛否両論があります。

私の最も重視する評価基準は実践です。この観点からすると橋下維新路線は評価します。

これだけの大改革を言うだけでなく住民投票にまでこぎつけるのですから敬意を表します。

橋下さん自身は2015年5月に実施された住民投票でおよそ1万票の僅差で敗れ市長を辞しました。

橋下さんが負ければ政界引退と叫んで都構想の中身より橋下路線が是か非かの様相でした。

捨て身の橋下戦法により市民の関心は高まり投票率は67%と驚異的な高さを示しました。

今回は、橋下さんのようなカリスマはいません。しかし吉村府知事というニュースターがいます。

都構想の内容は特別区を前回の5から4に減らし各区の格差の縮小に配慮しました。

住民と直接向き合う60万人から70万人の大都市が4つできる感じです。

広域行政を担う大阪都と役割分担をして大阪全体の活性化のセンターになろうとしています。

そもそも橋下さんが大阪都構想を打ち上げた背景には東京一極集中の是正がありました。

東京に比べて地盤沈下が著しい大阪を何とかせねばあかんという情念です。

司令塔が府と市に分かれていては二重行政になって無駄が多いという指摘です。

この考え方は一貫していて今度の住民投票でも維新側の主張の柱となっています。

全国各地の大都市と広域行政を担う道府県は余り仲が良くありません。

大阪だけが例外です。府と市双方を維新の吉村知事と松井市長が握りそごがないからです。

この関係をさらに抜本的に変革して一本化しようというのが都構想です。

私は今度の再挑戦は賛成多数となりリベンジが果たせると見ています。

最初の住民投票から5年を経て都構想の大まかな認知度は高まったと想定できます。

成立しても施行は5年先とされていますので細部の変更が出来そうだとの余裕もあります。

反対する陣営は反対という以上の内容のある反論を展開できていない点も有利です。

ただ、前回ほどの盛り上がりはなさそうで投票率が下がることの影響がどうですかです。

賛成する側には公明党、反対する側は共産党、ともに組織政党がついています。

投票率低下の影響は痛み分けといったところではないでしょうか。結果は賛成多数と思います。

大阪弁で言うところの”やってみなはれ”というのが大阪市民の平均的思いではないでしょうか。

東京都が出来たのは1943年の7月です。アジア・太平洋戦争の真っただ中です。

戦時体制遂行のため東京府と東京市を合体したのです。誕生の経緯はその制度の特色に表れます。

権力をひとつに集中し戦争のための制度改革断行しやすいためだったことを忘れてはなりません。

大阪都構想の細部の制度設計の中で権力の集中は議論の的となると私は見ています。