新型コロナウィルス対応の政治学59~続々・菅政権発足1か月~

勢いに陰りが見えると隠したいと思っていたことがなぜか明るみに出るのが政界の常です。

NHKの世論調査による菅政権の内閣支持率は、発足当初の62%から55%になりました。

菅総理は、『政治家の覚悟』という文春新書を出しました。すぐさま不都合な真実が表に出ました。

この新書は2012年に出した単行本を削除したり付け加えたりしたとことです。

問題は削除した部分です。単行本の発刊当時は、東日本最震災から1年でした。

民主党政権の文書管理を厳しく批判し「政府が記録を残すのは当然だ」と述べていたとのことです。

ところが再編集した新書ではこの部分が削除されているとのことです。

安倍政権時代森友学園問題で文書の隠ぺい改ざんが起こり財務省職員が自殺しました。

家族から真実を求め訴訟が起き国税庁元長官の改ざん指示を疑わせるテープが提出されました。

官房長官としてこの問題処理に関わっていたこと意識して削除したと疑われても仕方ありません。

菅総理としては自らの政治的信条を高らかにぶち上げるつもりで著書を出したはずです。

出版際し泥をかけられた感があります。これまた国会の場で真意を質されるでしょう。

正面切った政策論争ではなく菅総理の体質を問う課題ですので嫌らしいです。

菅総理は暗雲を振り払いたいと一層成果にこだわり走ろうとすることでしょう。

携帯料金の値下げ、ハンコの取り止め、不妊治療支援どれも総理自身が手を下す課題ではありません。

担当大臣が奮闘すればよい話です。総理はもっと大きな課題を自らの使命とすべきです。

菅総理は原点を見つめ直すべきだと思います。菅総理は地方分権改革に賭けてきたはずです。

その延長線上に立って大胆な国と地方の関係の見直しに着手して欲しいものです。

現行の47都道府県体制は限界に来ています。大阪都構想の提唱はその表れです。

菅総理として日本全体の都道府県体制の見直しに着手するチャンス到来です。

ブログで何度も述べていますが北海道と沖縄は体制変革が喫緊の課題です。

ロシアと中国という厄介な国と向き合っている地域の体制強化は日本の重大事です。

国の出先機関と北海道庁、沖縄県庁を合体させて強力な地方政府を創る必要があります。

外交や防衛は国の専管事項として役割分担を明確にしロシアや中国と対峙すべきです。

こうした体制を構築すれば地域経済振興は地方政府が、外交防衛は国が強力に対処できます。

ロシアや中国との関係を、政経分離を原則として押し進める基盤ができることになります。

ロシアや中国は好ましからざる国ですが戦争はできません。したたかな対応が求められます。

両国との間には領土問題を抱えています。中国は、日本が支配している尖閣諸島の奪還を公言してます。

こうした剣呑な周辺環境を乗り切るための国家体制を創り上げる大きな課題を担うのは総理自身です。

北海道と沖縄の担当大臣は河野太郎さん。ハンコは官房長官に任せ専念するよう命じて欲しいです。