足柄の歴史再発見クラブ、本格再スタート

昨晩、足柄の歴史再発見クラブの定例会がありました。20人ほどの参加でした。

コロナもあって活動は滞ってましたが先月から定例会を復活させました。

今月からは感染しないよう注意を払いながら活動を本格化させました。

今年の最大の目標である『新編 富士山と酒匂川』の英語版・中国語版のかたちが見えてきました。

編集事務局を務めている佐久間俊治さんと大井みちさんよりたたき台が示されました。

44ページで絵画やグラフ、写真がふんだんに盛り込まれています。

絵画は、最長老で名手の佐久間さんともうおひとり久保田和男さんの手によるものです。

久保田さんは私の小学校時代の恩師でもあります。当時から水彩画が得意でした。

水彩画は和らな感じを醸し出します。災害の悲惨さを伝える本なのに温かみが出ます。

タイトルが決まりました。外国人のための『富士山と酒匂川』としました。

英語は、佐久間さんの息子さんで英語が堪能な大学教授が待ってくれています。

中国語は、佐久間さんのお知り合いで県立高校の先生が協力してくれます。

来月中旬に全ての原稿を集めて来月末の定例会で原案を確定します。

来年2月末に外国語までに翻訳し3月中に最終原案を作り印刷に回し4月完成を目指します。

5月には出版記念会をしようということになりました。わくわくします。

来年6月には小田原や足柄地域の歴史団体の合同展示会も予定されています。

コロナの影響で今のところ開催できるかどうか不透明ですがこの場でお披露目したいです。

昨晩の定例会では勉強会として会員の西本晴男さんによる特別講演がありました。

元国土交通省の砂防の専門家で筑波大学大学院教授も務められていました。

関東大震災後の西丹沢地域における砂防事業の実態を詳しく解説して下さいました。

砂防工事当時と現在の写真を見比べながらの解説はとても説得力がありました。

戦前は内務省が現在の国土交通省のような国土管理を進めていました。

皇室所有の山林、ご陵林は、今でいう宮内庁が直接砂防事業を行ってました。

戦後、ご陵林の管理の引継ぎが万全ではなく宙に浮いたままの砂防ダムがあるとのことでした。

西本さんが関東大震災後の建物の倒壊の割合を示した神奈川県の地図を示しました。

見やすくするために住宅の倒壊率が高い地域は色を濃く表示してました。

神奈川県西部の足柄地域で色のついてない地点がポツリとありました。開成町でした。

開成町の東半分の古田島地域は住宅の倒壊が際立って低かったことが知られています。

開成町史の自然篇で詳しく解説されています。西本さんのデータによっても証明されました。

砂防ダムというと土砂がいっぱいになってしまったら役目終了と思いがちです。

誤解でした。土砂がたまることは谷間の地面を固め山林の崩壊を防ぐ効果があります。

先入観はいけません。専門家の話を聞くことの大切さを思い知りました。

11月3日には酒匂川の土手の草取り活動することも決まりました。いよいよ本格始動です。