新型コロナウィルス対応の政治学65~実務の政治哲学~

アメリカ大統領選挙でトランプ大統領が敗退し大物大道芸人が退場するかのようです。

政治エリートたちが積み重ねてきた掟を破りアメリカいちばんで文句あっかという政治でした。

バイデン大統領が就任したからと言ってトランプ大統領が喚起した流れを止めるのは困難です。

バイデン大統領が融和を言えば言うほどアメリカファーストの流れに配慮せざるを得ません。

バイデン大統領は矛盾の中で大統領としての第一歩を印すことになります。

アメリカの大統領の交代劇をもたらしたのは言うまでもなく新型コロナです。

パンデミックさえなければトランプ大統領の再選だったのではないでしょうか。

常識を覆し異次元の世界が現実であるかのような錯覚をもたらすのを劇画政治と仮に称します。

アメリカは劇画の夢から覚めて現実を見て実務型の政治へと転換する流れとなります。

現実を直視するという意味では好ましい転換です。しかし重苦しさが付きまといます。

酔っぱらって現実から逃避することができないからです。つらい政治状況となります。

バイデン大統領が率いる実務型政治はリアルなドラマと向き合う政治です。

実務型政治の政治哲学が必須です。直面する諸課題をこなすだけではじり貧です。

日本でも大上段に振りかざした政治を進めてきた安倍総理から菅総理にバトンが渡りました。

日本でも劇画政治から実務の時代への転換を象徴する出来事がありました。

大阪都構想の敗北です。維新がけん引してきた劇画型政治がとん挫しました。

大変革を夢見るより現実の政治を着実に変えて行く流れとなったと見ます。

こうした状況下での菅総理の登場は世界的な実務型政治の流れへの転換の先取りと言えます。

菅総理にとっていの一番に必要なことは実務型政治を推進する哲学を国民に示すことです。

諸課題をこなすことで国民を引っ張れるという見方は甘いと言わざるを得ません。

小さく現実政治に向き合うと言っても小さな政治に見えたものはどれも難問です。

難問を克服するための政治哲学を国民に発しないと現実にもみくちゃにされるでしょう。

自助・共助・公助と絆などとてんこ盛りな哲学から脱却してシンプルな哲学を語る時期です。

たたき上げに相応しく自助の哲学ではないでしょうか。覚悟を決めるべきだと思います。

共産党は、政治は公助だと述べてます。自助の政治哲学を掲げ真っ向勝負すべきです。

国民にとっては非常にわかり易い選択肢となります。私は自助の政治哲学に賛同します。

いかなる公助があっても自助の精神無くして自立はできないと思うからです。

自助は、弱者切り捨てと思われてしまうと腰を引いては話が見えなくなります。

いかに弱い立場にあろうと自助の意思が皆無では援助を活かすことはできないと私は思います。

政治エリートの階層出身ではなく這い上がってきた菅総理ならば堂々と語れるはずです。

ここを自信を持って進めないようだと言葉だけのたたき上げに終わり自滅するように思います。