田舎バージョンの都市と農村の交流

2005年の開成町制50周年記念事業の目玉はかやぶき屋根の古民家瀬戸屋敷の再生でした。

当時の岡崎洋神奈川県知事の多大なるご支援を受けました。国と県より多額の補助金を得ました。

岡崎知事が補助金支出の支援の理由としたのは都市と農村との交流拠点という考え方でした。

農村部の開成町に古民家が再生することで都市部の住民との間で交流が生まれるというものです。

神奈川県が積極的に支援するだけの理屈があるということになった訳です。

優れた発想で開成町の補助金獲得を後押ししてくれたことは今もって感謝しております。

ところがこの考え方には落とし穴があります。開成町は全て農村部だという思い込みです。

実態は異なります。小田急線開成駅周辺は計画的開発が進み都市部そのものです。

新たに住むことになった住民の皆さんは農村部の住民ではありません。

富士フイルムの研究所に勤務の方や都市部から移ってきた方もいられます。

6.55平方キロという豆粒のような町域の中でも都市部と農村地域があるのです。

開成町内の都市部と農村地域との交流拠点としてかやぶき屋根の古民家を活かさないといけません。

昨日、南足柄市内山の丘陵地帯でキウイの収穫体験イベントがありました。

「あしがら平野一円塾」というボランティアグループが主催したものです。

郷土の偉人の二宮金次郎の教えを学び農業を中心に地域貢献するグループです。

メンバーのキウイづくりの名人の小澤良行さんの農園を借りて毎年収穫体験をしています。

今年は小田急線開成駅周辺にお住いの家族にも参加を呼びかけました。

子供さんを合わせて20人ほどが初めてキウイ収穫を体験しました。

小澤農園のキウイは「香緑」という通常のキウイの倍ほどの大きさのものです。

枝から小型のひょうたんみたいに垂れ下がったキウイの大きさにみんな歓声を挙げていました。

キウイは育てるのは手間がかかります。しかしもぐのは簡単で子供でもお手伝い可能です。

25000個のキウイがおよそ2時間で全てもぎ終わりました。人手が多いと早いです。

子供たちにもお土産にキウイが小澤さんから手渡されました。おにぎりもです。

キウイは2週間ほど寝かして成熟してから食べるようにと注意を受けてました。

普段は農業に縁のない子供たちにとっては農業に触れる貴重な時間だったはずです。

足柄地域の田舎版都市と農村の交流が出来たと思います。一円塾の役目が果たせました。

いつもは、収穫後みんなで庭先に出したテーブルを囲んで食事会をします。

新型コロナのため今年は、収穫だけにして食事会は取り止めにしました。

外で豚汁をいただきながらお弁当を食べるのは最高のぜいたくなのですが残念です。

新型コロナが収まれば食事会付きの都市と農村の交流事業へと発展させます。

身近な範囲内でも都市と農村の交流事業は行えます。野外ならばコロナ下でも大丈夫です。

こうしたふれあいを通じて農業の雰囲気を少しでも知ってくれればうれしいです。

 

記事

前の記事

亀井静香氏が吼えた
記事

次の記事

くまモン知事と政治責任