新型コロナウィルス対応の政治学67~棚からぼたもちの三本の矢~

新型コロナウィルスの感染拡大が急激になってきました。医療崩壊の危機が叫ばれ出しました。

政府はアクセルとブレーキを同時に踏む対応方針を堅持しています。

塩梅というかハンドリングは際立って難しいです。成否を分けるのは責任のありかです。

政府が責任をとるのかそれとも都道府県なのか役割分担を明確にしないと混乱します。

政府と東京都とのゴートゥートラベルをめぐるぎくしゃくはその最たるものです。

小池知事は、制度導入をめぐる過去の経緯にこだわり意地になっているみたいに見えます。

結果として対応が遅れます。再び緊急事態宣言かというような雰囲気も無きにしも非ずです。

立憲民主党や共産党などの野党にとって政府を叩く格好の材料が降ってきました。

意図せずして政府を責める武器を手にしたようなものです。棚からぼたもちの一本目の矢です。

桜を見る会に関連して安倍総理の後援会員らが参加したパーティー問題が再燃しました。

5千円の会費だけでは会の費用を賄えず安倍事務所が負担していたというのです。

5年間で800万円と報道されています。公職選挙法や政治資金規正法に違反の疑いがあります。

高級ホテルでの会合が5000円で済むはずないと誰もが首を傾げていたと思います。

その常識が報道によって裏付けられた格好です。法的責任だけでなく政治責任もあります。

安倍総理は国会で完全否定してきたからです。国会をだました疑いが出てしまいました。

野党側が安倍総理を国会に招致して説明を聞くべきだという声には正当性があります。

この問題はNHKがスクープしました。ニュースで「独自」という印がついてました。

告発を受けて東京地検で捜査しているのですからこの関係筋から流れたのではないかと疑います。

少なくとも検察が報道することを容認している環境にないと報道できません。

事実と異なっているのであれば話は前総理に関する事柄だけに大問題になるからです。

検察のお墨付きを水面下で得てからでないと報道できないと見るのは常識です。

しかし安倍総理が関わったかどうかを立証するのはハードルが高いです。

検察として事前に世論がどんな反応をするか知りたいと思っても不思議ではありません。

検事トップの総長人事をめぐって安倍政権に手を突っ込まれた可能性が盛んに報道されました。

この問題は安倍政権の意中の人と言われた人物がスキャンダルで失脚し立ち消えになりました。

検察は安倍政権を引き継いだ菅政権との距離感に神経をとがらしていると思います。

国民からなれ合いと見られては信頼を失います。検察の判断を左右するひとつの条件です。

野党はまたもや棚からぼたもちの武器を手にしました。二本目の矢です。

日本学術会議の会員人事で6人を任命拒否した問題は依然として尾を引いています。

任命拒否の理由が明らかにならない限り会議側としては前に進めないでしょう。

野党側は3本の矢を手にしています。これで政権を揺さぶれないんら存在意義が問われます。

 

 

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