「エール」に感謝

朝ドラ「エール」が終わりました。自然と音楽好きにさせられる番組でした。

紺碧の空、六甲おろし、栄冠は君に輝く。全てが古関裕而さんの曲とは…!

長崎の鐘とモスラもです。2曲とも昨日放送のコンサートで歌われました。

長崎の鐘はとりの一曲でした。歌ったのは古関さんの妻を演じた二階堂ふみさんでした。

テレビに後姿が映った時、もしかしてと思いましたが、ご本人でした。

演技力は折り紙付きです。しかし歌はプロではありません。でもプロでした。

高音で音程のしっかりした歌声は心に響きました。半端ではない練習の成果だと思います。

長崎の鐘はまるでベートーベンの交響曲のような曲です。苦悩の先に希望が湧き出ます。

悲しげな曲調が途中でがらりと明るいメロディーに転換します。そこに鐘の音が重なります。

何と素敵な曲なんだろうと思ってました。古関さんの曲だと知ったのはこの番組でした。

この曲には、古関さんご自身の戦争体験が深く関わっていることが番組で描かれていました。

ドラマですので事実そのものではないにしても古関さんの実体験を踏まえてのものだと思います。

戦意高揚の音楽づくりに協力し数々の名曲を世に出した古関さんの苦悩は根深いはずです。

苦しみから這い上がるよすがが希望でした。希望を込めようと作曲したと描かれてました。

敗戦で打ちのめされた日本国民へ希望の灯をともす曲にしようとしました。

私はこの筋立てを信じます。長崎の鐘の曲調の転換が醸し出す雰囲気と合致するからです。

朝ドラ「エール」をきっかけに古関メロディーの名曲が再び蘇ったのは喜ばしいです。

原動力となったのは現役バリバリのミュージカルスターや歌手の方々の力です。

当時の記録を使うのではなく今現在活躍している方々の声が新たな息吹を吹き込んだと思います。

山崎育三郎さんの「栄冠は君に輝く」は画面に見入るとはこういうことだと教えてくれました。

名曲は歌い継がれることで名曲として更に育っていくのだと思った次第です。

昨日の朝ドラの後の「あさイチ」のゲストはロックシンガーの宮本浩次さんでした。

この方の情熱が飛び散るような歌唱は変わってます。それでいてハートを揺さぶります。

女性の名曲をカバーしたアルバムの「ロマンス」がヒットチャートの第1位になったとのことです。

実は私も購入しました。NHKの衛星放送で岩崎宏美さんのロマンスを聞いて即断即決でした。

昨日の「あさいち」に岩崎さんが出ていて宮本さんの歌に触発されたと答えてました。

宮本さんは思ってもみなかったロマンという曲の力を引き出したのです。

宮本さんに古関さんの名曲を歌って欲しいです。宮本さんの栄冠は君に輝く聞いてみたいです。

モスラはとんでもないモスラになりそうです。長崎の鐘もガンガン響きそうです。

大作曲家、大歌手の曲だと言って飾り物としてしまうと生命力は廃れます。

歌い継ぐことが命をつなぐことだと思います。歌に限らす全てに通用する真理だと思います。

 

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