若い世代と女性の登用が危機突破のカギ
世代交代というと若い世代にとって代わられるという恐怖感を持ちがちです。
中高年齢層は身構え抵抗勢力となり、若い世代は登用されても潰されやすいです。
世代交代とは、若い世代にとって代わられることではなくバランスを取り戻すことだと思います。
日本の場合は急速な少子化が進展中ですので放置すれば高年齢組織になるのが必然です。
組織のリーダーを始め社会全体が意図して若い世代の登用を進めなければなりません。
現代は、新型コロナ危機を始め今生きている世代では未体験の危機に直面しています。
危機に柔軟に対応できる若い世代が社会の前面に出てこないと乗り切れません。
若い世代の登用は、危機を乗り切るため最も有効な手段ですので抵抗すれば危機は深刻化します。
若い世代は、日本の人口構成で割合が少ないので世代の声はなかなか決定者に届きません。
ここにリーダーが意図して世代交代を進めなければならない理由があります。
NHKで「魔改造の夜」という番組を放送してました。世代交代の意味を考える題材でした。
円形の掃除ロボットを跳べるように改造して走り幅跳びをする技術者の挑戦でした。
もうひとつはシンバルを叩く小熊さんのおもちゃで瓦を何枚叩き割れるかでした。
ロボット製造のベンチャー企業と町工場にルーツを持つ精密機械工業の技術者。
それと世界的自動車メーカーのホンダの3社が参戦し仰天のアイデアを競いました。
材料費は5万円までという制限がありますので完全に知恵の勝負でした。
2部門とも勝ったのはホンダでした。私はチームの世代バランスの勝利だと思いました。
ロボットベンチャーは全員が若い世代です。精密機械企業は中堅世代の社長自ら陣頭指揮でした。
ホンダは若者主体は他の2社と同じでしたがベテラン技術者も仲間でした。
掃除ロボットの走り幅跳びはベテラン技術者のジェットエンジン技術の応用が勝負を分けました。
若者たちが知恵を絞り合う中でベテラン技術者の経験が見事に活かされていました。
見ていて世代交代のお手本のように思いました。バランスがとれているのです。
ホンダは、技術開発の申し子の本田宗一郎さんが創った会社でその伝統があります。
本田さんはさっと引退して次の世代に全てを委ね余計な口出しは一切避けたと言われます。
きっぱりとした世代交代の伝統が今なお息づいていることを感じさせました。
番組でもうひとつ印象に残ったのは女性の登用でした。2人開発リーダーを任されてました。
若い世代を登用して世代間のバランスをとることと女性に活躍の場をどんどん与えること。
このふたつが危機を乗り切るために決定的な対処方針だと確信を持ちました。
危機を乗り切るには挑戦しなければなりません。環境を整え人材を集めなければなりません。
発想豊かな若い世代の登用がいちばんです。続いて女性の力を信じることです。
この両者が相乗効果を生みます。こうした組織への脱皮から逃げない組織が最先端を走ります。