道義国家論4
道義の国を目指すことは難しい理屈をこね回すことではありません。
単純素朴な道徳を実践することです。実践はリーダーが率先垂範すべきです。
最もわかり易い道徳は「嘘つきは泥棒の始まり」ではないでしょうか。
止む得ない事情がある時は、「ウソも方便」もあり得ますが通常は前者です。
安倍前総理大臣の「桜を見る会」前夜に行われたパーティーをめぐる問題は看過できません。
安倍前総理は国会で安倍事務所は費用野補てんは全くないと大見えを切ってました。
東京地検特捜部の捜査でひとり5千円の経費では賄えなかった分の補てんが明らかになりました。
安倍事務所の公設第一秘書が政治資金規正法で略式起訴される見通しだとメディアは伝えてます。
安倍前総理は秘書から虚偽の説明を受けていたとのことで知らなかったとされるようです。
都内の超高級ホテルでの懇親パーティーの会費が5千円はありえません。
安倍前総理が伝えられるように知らなかったとすれば監督不行き届きの極みです。
国会で関与はないと断言した発言の責任と同時に事務所の監督不行き届きの責任もあります。
国会の場で国会議員と国民に向けて経緯を説明するのは当然の責務です。
安倍前総理の今後の言動で政治家への信頼感が左右されます。逃げは許されません。
菅総理の出方によって、日本が道義国家に向けて第一歩を踏み出せるかが決まります。
日本学術会議問題のように議論をすり替えて逃げるような挙動に出たらおしまいです。
菅総理が師と仰ぐ梶山静六元官房長官が目指したのが道義国家です。
安倍前総理の桜を見る会パーティー問題の処理は、道義国家の試金石です。
菅総理が依然として安倍前総理と一体であるとの姿勢をとり続けるのであれば一蓮托生です。
菅総理が安倍前総理を切れれば道義国家への重い扉が開き出します。
公設第一秘書の起訴が確定したら安倍前総理に議員辞職を求めるべきです。
諸事情あるにせよ結果として国民にウソをついた責任をとって欲しいということです。
中途半端はありえません。白か黒かの選択です。菅総理としての重大決断となります。
安倍前総理が政治家として命脈を保ちたいならば次の総選挙でみそぎを果たせばよいだけです。
この時点で安倍前総理に国会議員を辞めてもらえる強烈な政治力を菅総理が発揮できるかです。
安倍前総理を説得できれば菅総理の存在感はいやがうえにも増すことでしょう。
師と仰ぐ梶山さんの道義国家への階段を確実に一歩上がることにもなります。
国民に対しウソを突いたらその座にはとどまれないという厳格な掟が定まるからです。
菅総理が安倍前総理の議員辞職を決断できずにズルズルと行った場合は道義国家は遠のきます。
菅総理の政治力に失望感が漂い政権の前途にも暗雲が立ち込めるほうに向かうと思います。
菅総理がたたき上げのすごみを発揮する千載一遇の機会だと私には思えます。
今年は、梶山さんが死して20年。一番弟子を自認する菅総理の決断の時です。