足柄の歴史再発見クラブ2020から2021へ
足柄の歴史再発見クラブ、今年最後の例会が昨日ありました。9人の参加でした。
少人数でしたが楽しく充実した会となり来年に向けての展望も見えてきました。
勉強会は、ここ2回連続で続けている関東大震災について史料をみんなで読みました。
巻頭大震災当時、秦野警察署の署長をされていた朝岡朝吉さんの書かれた記録が残ってます。
クラブ副会長で日本史の教師の関口康弘さんが秦野曽屋高校在職中に見つけたということです。
タイトルは「震災に直面して」となっており震災発生から1週間が日記風にまとめられてます。
秦野は、町の中心部で火災が発生しました。その他も併せ全焼54、半焼25と記録されてます。
署長を始め書内に泊まり込みで震災対応や食料品の確保に当たった様子が生々しく書かれてます。
困っている時に商品の値段を吊り上げたり売り惜しみをしたりがあったことも記されてます。
根拠のないうわさも流布されました。また巨大な余震が起こるとかです。
朝鮮人が襲ってくるという噂もありました。朝岡署長は根拠がないとき然としてました。
3日、朝鮮人の行商人12人を保護したり根拠のないうわさの鎮静化に務めたと記されてます。
5日にも朝鮮人32人を伊勢原警察署より引き継ぎ保護したと書かれてます。
関東大震災で全ての地域で朝鮮人虐殺のような事態が起こったのではありません。
秦野では、地域の治安を担う警察署のトップの冷静な対応で管轄地域の混乱を防ぎました。
思い込みで過去を見るのではなく記録を踏まえて状況を知ることの大切さを改めて思いました。
昨日の定例会では今年最後ということもあって来年の活動の柱についても意見交換しました。
関口副会長より3本柱が示されました。ひとつは関東大震災の勉強です。
2023年が震災100年に当たるので私たちの地域の震災を見つめ直そうということです。
3年後の2026年が地域の母なる河川である酒匂川の治水の要衝の大口堤築堤300年です。
1707年の富士山の大噴火後の洪水で決壊し1726年に復旧し地域を守り続けてくれてます。
300年の節目の年を、治水史をもう一度再整理して酒匂川の治水を考えるきっかけとすべきです。
クラブとしても何らかの貢献をしたいと考え勉強を積み重ねましょうということでした。
3つ目は出前授業です。学んだことを子供たちに伝える活動を継続しましょうということです。
今年はコロナで中断してしまいましたが小学校への出前授業、来年度はぜひ再開したいものです。
来年2月に開成町議会との懇談会が決まったと小林秀樹会長より報告がありました。
この席で関口副会長の3本柱を説明しクラブの活動を理解してもらえたらと思いました。
昨晩の定例会の最後は会員で歌手の橋本京子さんのミニミニコンサートでした。
アメイジンググレース、中島みゆきさんメドレー、最後は赤とんぼでした。
心が洗われるとともに元気が湧いてきました。来年も力を合わせクラブの活動頑張ります。