今年の漢字1~離~
2020年も残り4日。新型コロナが私たちの暮らし方を一変させました。
会社に行くな距離をとれと言われました。よって、今年の漢字は「離」としました。
ドイツのメルケル首相が移動の自由の制限を呼び掛けた際の言葉が印象的です。
移動の自由は人々にとって侵すことのできな権利のひとつだと強調していました。
この自由に制限をかけるということはばん止む得ない非常事態の時だけだと位置づけました。
そして今がその時だと国民への協力を呼び掛けたのです。深く重みがあります。
メルケル首相は旧東ドイツの出身です。共産党の独裁体制の下での不自由さを体験してます。
現状がいかに重大事態かを伝えるトップリーダーからのメッセージでした。
日本の総理からはメルケル首相のような自らの体験に基づいた重みのある言葉はありません。
リーダーとしての力量の格差を感じます。これは国民全体に対しても問われています。
政治リーダーは突如空から降ってくるものではなく国民が選んだ政治家から選ばれるからです。
人々が離れ離れにならざるを得ない異常な危機状態だからこそリーダーの一言は大切です。
その時に発せられるひとことも突如天から降りてはきません。長い政治体験からふと出ます。
リーダーの人生の全てを表現するひとことが危機の時代に求められているのです。
それなのに相変わらず紙を読んでたどたどしく語りかける現状にため息が出ます。
人々が離れ離れになっても補う技術があることを示した一年でもありました。
IT技術を活用して会っていなくてもあたかも同じ空間にいるかのような体験ができます。
Zoomというテレビ会議システムが急拡大しました。とても便利な道具です。
2人のテレビ電話の拡大版です。お互い意見交換もできリアルな会議とさほど変わりません。
担当している神奈川大学の政策過程論も含めて一斉にリモート方式となりました。
最初は戸惑いといら立ちの連続でした。すぐにこのシステムの可能性を感じ取れました。
多彩なゲストの参加は直接講義の場に来てもらうずっとたやすく実現できます。
ネットは世界中とつながっていますのでゲストも世界中から呼ぶことができるのです。
講義内容の充実には現場の意見は欠かせません。Zoom会議システムは頼りになります。
Zoom会議システムはアメリカのベンチャー企業が世に出したシステムです。
トップは中国系のアメリカ人です。多様性を有するアメリカ社会の強みを感じました。
日本のように同質性が強い社会ではあえてテレビ会議システムの開発のニーズが生じません。
アメリカ社会のような多民族が集まるるつぼのような国家の方が必要性が高いです。
世界の中で存在感が薄まっている今日の日本をもたらした原因を垣間見ることができます。
同質性の強みばかりに目が行き多様性があることの強さを軽く見てきたつけが出ていいます。
多様性を重視することは新たな技術開発への挑戦の動機となります。見落としてはなりません。