今年の漢字2~視と聴~
今年ほどテレビの前に座っていた時間が長い年は、生まれてこの方ありません。
番組表とにらめっこして興味を引いたタイトルの番組を録画しため込みます。
長時間余裕がある時に一気に見ました。NHKが良質な番組の宝庫でした。
とり溜めした番組をざっと見ます。直感ですぐに削除するか続けて見るか決めます。
見るから真剣に視るに変わります。繰り返し見たいと思う番組は保存します。
教育テレビの「サヘルローズ~砂浜に咲く薔薇~」が印象に残った最高の作品でした。
イラン・イラク戦争で戦争孤児となったサヘルさんの人生の歩みは想像を超えてました。
女優となった今、貧しい世界の子供たちを励ましているサヘルさんに心が揺さぶられました。
「沖縄戦全記録」、「沖縄戦出口なき戦場」の特番はかたずをのんで集中して視ました。
12万人ともいわれる民間人犠牲者が戦争に巻き込まれていく様を見せつけられました。
戦争がいかに民間人を踏み台にして作戦が遂行されるかを痛いほど理解させる番組でした。
懐かしの名画「カサブランカ」。30年かそれ以上前に見た記憶があります。
カッコいい男はカッコいいし、美しい女性は美しいという当たり前すぎる事実を教えてくれます。
今年ほど音楽に親しんだ年はありません。一日の暮らしで欠かせないものとなってます。
音楽への接近も、テレビがきっかけです。何気なく見ていてはっとするものがありました。
宮本浩次さんというロックミュージシャンを知ったことは今年の事件でした。
学生時代にファンだった岩崎宏美さんの「ロマンス」を歌っていたのを偶然聞いたのが最初です。
イントロの部分からその迫力に圧倒されて画面に吸い込まれて行きました。
真剣に聴きました。他の歌手の歌を歌うというカバーも新たな作品になりうると思いました。
宮本浩次さんのカバーアルバムともう一枚宮本さん自身のオリジナルCDを購入しました。
ほぼ毎日入れ替えて聴き続けています。もともとの力量があることを知りました。
抜群の歌唱力があるのでカバーで歌の新たな魅力を引き出せるということがわかりました。
今年はクラッシック音楽にもどっぷりつかりました。特にベートーベンです。
生誕250年の年だったので否応なしにベートーベンの楽曲がテレビ画面から迫ってきました。
9ある交響曲を全てテレビで聴くことができました。偉大さがひしひしと伝わりました。
ベートーベンの交響曲6番「田園」を流しながら朝ブログを書くこともしばしばです。
テレビを通じてクラッシックを聴くのは都合が良いようでつまづきも誘発します。
アンネ・ゾフィー・ムターさんや諏訪内晶子さんのようなバイオリニスト。
ピアニストでは仲道郁代さんのような方が演奏していると曲を聴いているのか微妙です。
優美な演奏のしぐさの方に関心が注がれてベートーベンの名曲が後方に下がってしまいます。
視るから進み深く観ている状態なのかただ魅せられているだけなのか。後者の可能性大です。