天下御免の極論から日本の針路を考える

2日の夕方ラジオニッポン放送で天下御免のおふたりへのインタビュー番組がありました。

石原慎太郎元東京都知事と亀井静香元衆議院議員です。タブーなしで持論をぶってました。

石原さんは、核兵器保有です。広島長崎の痛ましい歴史はあるが持つべきと強調してました。

アメリカの言いなりにならず中国に断固として日本の主張を伝える手段だというのが理由です。

軍事戦略としては一理あります。核保有国となることで日本の存在感は一変します。

しかし外交的リスクは極大化します。同盟国アメリカを敵に回すことになります。

中国を始め周辺諸国も猛反発するでしょう。日本は孤立状況に陥ってしまいます。

国連の核兵器禁止条約が今月発効される見通しです。日本の核兵器保有は反発を呼びます。

石原さんの天下御免の極論は、議論としては成立しても現実的な選択肢としてはあり得ません。

しかし、国際軍事情勢的に厳しい位置に置かれている冷厳な事実を直視する端緒となります。

亀井御大将は、日米安保破棄を主張していました。同盟国アメリカが目をむきそうです。

亀井さんの持論はアメリカのポチになってはいけない、日本は言うべきことを言うというものです。

アメリカが駐留アメリカ軍経費の日本側の負担増を無理やり要求することに反感を持ってます。

日米安保破棄をちらつかせて一発脅かすぐらいの度胸を示せということだと推察します。

米中対立が激化し中国との間で尖閣諸島をめぐる緊張が高まっている状況です。

こうした中で日米安保条約を破棄することは米中両国を敵にすることにつながります。

日米同盟基軸を前提に中国との対立に対処するのが現実的路線です。

亀井さんがあえて極論を訴えたのはアメリカの属国になってはならないという信念でしょう。

日米安保があるからとアメリカに依存する姿勢は日本の自立につながらないということです。

石原、亀井の天下御免のおふたりが意気投合したのは、尖閣周辺で行動を起こすことです。

石原さんは都知事時代に尖閣諸島を購入しようとして基金を募ったことがあります。

大型船をチャーターして希望者を乗せ尖閣海域を航行しようと考えているようです。

亀井さんも大賛成で日本の領土なんだからためらうことは何もないと言い切ってました。

尖閣周辺海域の海が最も静かな時期に実行するとふたりとも述べていました。

おふたりのことですから言いだしたことはやるでしょう。波乱を呼びそうです。

天下御免のおふたりの大義名分は、中国に対し日本国民の意思を伝える必要があることです。

亀井さんが今年の政局について気になることを話してました。連立の組み直しに言及してました。

亀井さんは国民民主党の玉木代表を高く評価してます。玉木さんを念頭に考えているはずです。

菅政権が新型コロナで揺れ自民党内で不協和音が起きると連立の組み直しの動きはあり得ます。

亀井さんのような政界を知り尽くした方が仕掛けるとなると現実味を帯びてきます。