新型コロナウィルス対応の政治学74~自由と民主主義の危機~

新型コロナのパンデミックは自由と民主主義体制を激しく揺さぶってます。

人類共通の価値となっている自由と民主主義という政治哲学の優位性が脅かされてます。

パンデミックの抑え込みに成功している国の代表は、最初の発症国の中国です。

中国は、自由と民主主義体制の国ではありません。共産党の一党独裁体制の国です。

ロイターによる最新の感染者集計では日本は26万人で中国本土は8万7千人です。

アメリカ2122万人、イギリス284万人、フランス271万人、ドイツ183万人です。

中国は国民の権利を制限する強権と国民の行動を掌握する情報統制で抑え込んだと見られます。

中国在住が長い私の知人が都市ごと閉鎖する中国政府の圧倒的権力を語ってました。

緊急事態に際しては独裁国家の方が効率的に政策の実効性を上げやすいことを示しています。

一方、自由と民主主義を掲げている国々は一部の国を除いて困難に直面しています。

民意を尊重すれば様々な意見の調整に時間がかかります。感染拡大を招きます。

人権尊重の思想は、強権発動と相容れません。実効性のある対策が打ちにくい要因です。

感染拡大を抑え込まないと経済再生も上手く行きません。中国の突出を許します。

世界銀行が発表した今年の政界経済の成長予測の中で中国は7.9%と群を抜いてます。

この状況が続けば世界経済のけん引役は中国ということになり存在感は高まります。

自由と民主主義国は感染を抑え込めずに経済は中国におんぶにだっことなり兼ねません。

感染の最初の発症国がいの一番に再生を果たし存在感を高めるのは皮肉な現象です。

中国は世界保健機関による調査の受け入れを拒んでいるとの報道がありました。

言語道断のことです。世界にウィルスをまき散らした張本人の態度ではありません。

中国を批判しているだけではらちがあきません。感染拡大を抑え込むしかありません。

自由と民主主義を標榜する国それぞれが英知を絞り成果を上げるよりほか道はありません。

自由と民主主義という政治的価値が揺らぎかねないという危機意識を持つことが必要です。

その上で各国の独自性を活かした対策で中国のひとり勝ち状態に一泡吹かさなければなりません。

私は自由と民主主義を標榜する国々の威信がかかっていると思ってます。

菅総理には、パンデミック対策は、政治哲学に関わるとの認識を持って欲しいです。

現状は独裁国家の勃興を許すことにつながるという問題をはらんでいるのです。

国民にこうした観点からも協力を呼び掛けるべきです。国民の協力度が上がると思います。

麻生副総理は日本人は民度が違うと豪語していました。今こそ日本の民度を発揮する時です。

首都圏で緊急事態宣言が発効します。自由と民主主義がかかっていることを訴えて欲しいです。

日本国民がみんなで力を合わせるというワンチームの意識は極めて重要です。

その意識の基盤に立って飲食店や個人への経済支援があれば一層効果を発揮すると思います。