「自殺したくなったら図書館に行こう」
昨年は、自殺者がリーマンショックの2009年以降11年ぶりに増加に転じたと報じられてます。
750人、3.7パーセント増えて2万919人だと厚生労働省が発表しました。女性の自殺者が増えているということです。
新型コロナの感染拡大により職を失ったりして生活苦に陥り女性の方がその影響をより受けていると見られます。
相談窓口を拡充したりして悩む人と向き合う体制の充実が喫緊の課題であることは言うまでもありません。
こうした中で図書館が悩める人の相談窓口の一翼を担えると考える人はそうはいないと思います。
「自殺したくなったら図書館に行こう」というスローガンを掲げて図書館運営に当たった方がいられます。
先週金曜日、マイナンバーカードの作成申請に町役場に行きました。町長時代の秘書だった女性職員から声をかけられました。
彼女は就職氷河期の真っただ中に開成町役場を選び入庁した優秀な職員です。図書館づくりに深い関心を持ってました。
休暇を利用して自費で最先端の図書館づくりの現場を観察し報告書をまとめ私に提出しました。
2007年2月27日提出と記録されていて今でも私の手元にあります。熱い思いが込められたレポートです。
その報告書の中心人物こそ「自殺したくなったら図書館に行こう」との思いで図書館づくりを進めた人物です。
滋賀県東近江市の能登川図書館長だった才津原哲弘さんです。視察した女性職員は偶然才津原さんと面談できました。
図書館内に地域の福祉作業所が運営する喫茶スペースがあってそこに昼食に来た才津原さんと出会ったのです。
報告書には才津原さんを特集した毎日新聞のインタビュー記事も添付されています。読み直してみました。
「自殺したくなったら図書館に行こう」という言葉は、アメリカの公立図書館に掲示されていたポスターに由来します。
才津原さんはこの言葉に触発され生死に関わる切実な問題を抱えた人たちにとって大切な場となる図書館づくりを発想しました。
報告書によれば、能登川図書館は、博物館や埋蔵文化財センターの複合施設の一角にあります。
突き抜ける天井の広々とした開放的な空間と手に取って見たくなる書架の配列に特色があるとのことです。
幼児児童生徒向けのスペースが充実していて各年代の目線で本を閲覧できるよう工夫されているとなってます。
想像しただけで心が落ち着きます。切実な悩みを抱えている人もさぞかし心が癒されることでしょう。
図書館が福祉や子育て支援の窓口へとつながる可能性があるという視点から見るという発想は卓越しています。
私の住む開成町は図書館がありません。町長時代、学校に図書司書を配置したりしてそれなりの努力はしました。
しかし報告書を提出してくれた女性職員の思いを実現できませんでした。本当に申し訳なく思います。
是非あきらめず実現に向けて動いて欲しいと思います。自殺したくなったら行きたくなるような図書館を創って欲しいです。