新型コロナウィルス対応の政治学80~小池都知事の深謀遠慮?~
GoToのアクセルと感染防止のブレーキを同時に吹かすやり方で感染爆発を招いた菅政権の前途は危ういです。
昨日は124年ぶりに2月2日が節分だとのことです。政策判断の誤りによって節を分けることができませんでした。
緊急事態宣言が栃木県を除いて継続となりました。これから一か月連日きわどい日々が続くと思います。
劇的に感染者が減少し、コロナ患者受け入れ病院のひっ迫状況が改善されるかどうか予断を許しません。
オリパラの開催の判断時期も刻一刻と迫ってきています。菅政権としては心中穏やかではないはずです。
頼みの綱はワクチンです。昨日の記者会見で日本はなぜ世界からこれほど接種が遅れているのかと問い詰められてました。
菅総理も政府の分科会の尾身会長も明確に答えることができませんでした。このあいまいさに原因があります。
尾身会長は日本の製薬業界がグローバル企業に比較して規模が小さいことに原因があるかのような発言をしていました。
小さくても最先端技術を持つベンチャー企業はあり得ます。いつもは明晰さが目立つのに歯切れが悪いです。
菅総理に至ってはワクチン確保は早かったと言い訳してました。あ然としました。接種できなければ意味がありません。
日本の行政は緊急事態対応が苦手です。接種に至るまでの手続きが慎重な余り時間を要している可能性があります。
行政の慣例打破を打ち出している菅総理はもっと明確に原因について語るべきです。あいまいさは許されません。
菅政権がコロナ対策にもたもたしているうちに地方選挙で自民党に厳しい判断が出始めました。
巨大都市の北九州市議選で現職6人が落選したと報じられました。強固な自民城落城の前兆かもしれません。
自民が政権の座から転落する時は地方選挙から逆風が吹き始めるのが常だからです。安易に受け取れません。
東京のど真ん中の千代田区長選挙でも自民党の推薦候補が敗れました。自公体制で臨んでも敗れました。
勝ったのは小池都知事系の都民ファーストの会です。再び小池旋風が吹き始めたのでしょうか。
旋風とは行かないまでも巧みなパフォーマンスでコロナと戦うリーダーを都民に見せつけている効果に見えます。
7月の東京都議選に向けて自民党として相当の危機感を抱いたことでしょう。4年前の悪夢がチラついていると思います。
不思議なのは小池都知事が都民ファーストが勝ったのにさほど話題になりません。何らかの思惑を感じます。
都民ファーストが勝って目立ちすぎることは小池都知事の現在の心境からすると不都合なのかもしれません。
自民党と事を構えることは避けたいのだと思わざるを得ません。その前提に立てば小池都知事の言動も腑に落ちます。
希望の党を結成して政局に衝撃を与えた当時ささやかれた野望が消えていない可能性もあるかもしれません。
都知事の次は総理というものです。そのためには自民党とぎくしゃくするのは避けるという深謀遠慮です。不気味です。