大ピンチは大チャンスとなるか

東京オリパラ組織員会のトップ人事が白紙に戻りました。これでようやくまっとうな決め方ができます。

トンデモ発言の森元総理も、軽挙妄動の川淵氏も去りすっきりしました。悲観する必要は全くありません。

今度のオリパラは何のために開催するのかという原点に立ち返る大チャンス到来です。

密室で人事を進め透明性を欠いた反省として、どのような決め方をするかに焦点が当たっています。

男女同数、アスリート中心で指名委員会のような組織を作って議論すると伝えられてます。

この作業は決め方の手段に過ぎません。原点は何のために開催するのかであることを忘れてはなりません。

今年発生から10年めを迎える3・11、東日本大震災からの復興の節目にするためのオリパラでした。

安倍総理は、被災した福島原発の状況を「アンダーコントロール」と言い切ってまで誘致を進めました。

汚染水の状況などからして封じ込められているとは言えないとの批判が巻き起こりました。

よく解釈すれば3・11からの復興ということを第一に掲げているからこそ出た言葉だと推測します。

オリパラ組織委員会トップ人事もこの原点を踏まえて選ぶ必要があることを忘れてはなりません。

大災害から立ち上がろうと奮闘している被災地の現状を理解できる人がトップに座るのが望ましいです。

更に日本を始め世界は新型コロナのパンデミックに襲われています。世界の感染者は1億人を突破してます。

「アンダーコントロール」とはとても言えません。この非常事態の中でオリパラは行われようとしてます。

入国選手団への対応、会場での感染防止対応、どれ一つとっても平時とは様相を一変させます。

平時のオリパラとは全く異なるのです。危機管理にも通じ司令塔となり得る人物が相応しいです。

政府と東京都との間に立ってさばきが出来ないと非常時のオリパラの開催は時限爆弾をしょい込むのと同じです。

政府や自治体のしかるべき地位に就いた経験者で危機に対する皮膚感覚を持っているのが望ましいです。

女性が望ましいとか若手が良いとかの意見があるとのことですが、それは結果としての話です。

女性であろが若手であろうが上記の条件を満たす人物がいればその方は相応しいということになります。

人気投票をするのではありません。世界からバカにされかかっている大ピンチからの脱却を目指す人事です。

東京オリパラの事務局は、今回の人事の持つ意味を論理的に整理して明確に選考委員に伝えなければなりません。

具体的にだれを選ぶということ以前に選考委員各位で今回の人事の意味について共通認識を持つことが絶対条件です。

事務局の果たす役割は重大です。元財務相の事務次官の武藤敏郎さんが事務総長です。

東大入学者数でトップの開成学園の理事長も務めました。”開成”つながりで対談したことがあります。

武藤さんの頭脳が本物の明晰さを持っているかどうかが問われる局面になりました。さばきを注目してます。